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| - | | - | - | pookmark | 昨年の記事
HD−DVDが遺したもの
本日,東芝はHD-DVD事業からの撤退を正式に表明した。
「決断が早かった」という意見も一部にはあったが,
これには3月期決算が迫っている事情もあるのだろう。


いずれ撤退するのであれば,前倒しで全額損失計上し,
翌期の業績に影響しない期間配分の工夫が常套手段。
ただ会計上,会社の正式な意思決定の手続きを踏まないと,
債務・損失の計上が認められないことから,
3月までに方針を決めたということなのだろう。


3月までは販売を継続するようだが,
これは,決算期末まで待って,回収見積費用を含め,
機械装置除却損などを特別損失に計上することになる。
その額は500億円以上ともされており,
単一製品の損失としては,決して小さくはない。
東芝ほどの会社の規模だから耐えられる話。


ところで,東芝がHD-DVD撤退を決めた決定的要因は,
「次世代DVD市場に,勝者は誰もいない」
という判断に基づいたためだという。
本心かどうかは,分からないけどね。


「勝利者は出てこない」という意味は,
いずれ各家庭にブロードバンドが普及し,
映像のネット配信サービスが充実してくれば,
ビデオ・オン・デマンド方式で視聴するようになる,
というライフスタイルを予測しているのである。


つまり,パッケージメディアはいずれ衰退するだろう,と。
パッケージメディアからオンラインへ,
という未来話は昔からよく聞かれるストーリーだが,
実現するまでには,まだ解決すべき課題は大きい。


ハードの面からは,ブロードバンド環境の整備が前提。
NTTグループは3月から次世代ネットワーク(NGN)を始める。
しかも,総務省が競合他社への開放を義務付けたことから,
接続事業者やコンテンツ事業者が多く参入する可能性がある。


しかし,NGN回線がいつ全国で使えるようになるのか。
NTTでは当面,東京と大阪の一部でサービスを開始するが,
2010年度で2,000万人の加入を目標としている。


しかし,光ファイバーの普及ペースが落ちてきている。
NTTは2007年度末の契約目標が,未達となる見通しを発表。
KDDIも契約目標数を「下方修正」したところである。


しかも,NTTの場合,目標の進捗率は60%にも満たない。
KDDIも東京電力から光回線事業を買収したものの,
目標引き下げとなるほど非常に苦戦している。


ADSLはある程度普及してきて,減少に転じたが,
光ファイバーほどの高速回線を必要とするからには,
HD映像などのコンテンツが充実しなけらばならない。


次に,ソフト側の話になるわけだが,
光回線を使ったコンテンツの量はまだまだ少ない。
単発的に有名作品を映像配信することはあるが,
パッケージメディアを網羅するような量には全く及ばない。


コンテンツ提供側も著作権の問題などがあって,
権利の整理も必要だし,ネット配信には及び腰だ。
NGNが小さな地方都市を含めて全国的に普及し,
その上で豊富なコンテンツの品揃えがなければ,
パッケージメディアに頼る時代はまだ続くだろう。


いずれはブロードバンド環境が普及するかもしれないが,
それまでには最低でも5年ぐらいは必要だろうし,
10年ぐらいは光回線がある地域と,ない地域の状態が続き,
言うなれば「地域格差」の問題も出てくるだろう。
パッケージメディアが穴埋めする時間はまだ長いはず。


一方,ネット配信などが充実してきた場合でも,
パッケージメディアに引き付けられる人は存在する。
そもそも現行DVDにおいても,セルDVDを買っている人は,
特殊な顧客層が中心となっているためだ。


巷では,レンタルDVDが充実してきている。
TSUTAYAのDISCASなど郵送によるレンタル事業も登場し,
地方の人も気軽にレンタルが可能な時代となり,
パッケージを買う必然性は少なくなってきている。


レンタルDVDはいずれ,ネット配信とも競合するが,
それでも,パッケージメディアであるセルDVDの強みは,
「オマケ」や特典映像など,コンテンツ(中身)以外にある。


昨日の分冊百科の話ではないが,
ネットが普及しても,リアルコンテンツは残る。
これは,パッケージが実物である強みだろう。
マニアなどは「所有する」ことが目的だったりもする。


今後,セル市場規模が縮小していくことは考えられるが,
完全に消滅していくことはないと思っている。
では,次世代規格で勝利したブルーレイが,
順調に売上を伸ばしていくかといえば,そうではない。


当面,ブルーレイの強敵は現行DVDになる。
VHSから現行DVDへの移行はやや時間はかかったものの,
市場のパイはそのまま置き換わったと言える。


品質の劣化がない,アトランダムの検索が可能,
ディスクの容積が小さい,値段が安いなど,
VHSに比べて,現行DVDは圧倒的な優位性を持っていた。
現行DVDはLDより品質は落ちていたものの,
扱いの手軽さと省スペースの強みで,LDも駆逐した。


ところが,ブルーレイが現行DVDより優れているのは,
基本的には画質しかないだろう。
操作性も変わらないし,サイズも同じ12cmディスク。
その画質も視聴環境によって差が出ない場合もある。
解像度の悪い機器類では意味がないからだ。


だとすれば,価格が同一でない限り,
わざわざブルーレイ・ソフトを買わないなろう。
かつてのMUSE LDのように法外な値段ではなく,
現在は1,000円程度高いだけで収まっているが,
同一価格でなければ,現行DVDで満足するかもしれない。


ブルーレイが普及するには,まずハードの普及が前提。
現行DVDが普及したのは,プレステ2の存在があった。
プレステ3は明らかに販売の勢いがないことから,
あまり頼りにはならない。


ブルーレイが普及していくとすれば,プレーヤーではなく,
録画機(レコーダー)から広がっていくのは間違いない。
ソニーは既に,現行DVDのレコーダーの生産から撤退し,
ブルーレイに集中しており,エアチェックの多い日本では,
時間はかかるかもしれないが,間違いなく普及する。


それまでにソフトの品揃えが充実し,価格も下がるだろうが,
最低でもあと2,3年はかかりそうな気がする。
ただ,それでも普及のスペースは早いと思っているけどね。


次世代DVD,というよりブルーレイが早期に普及するならば,
これに最も貢献したのは,HD-DVD規格のおかげだろう。
HD-DVDの存在によって,コストダウンの手法が早期に確立し,
販売価格は一気に下がった。


ソニー製にしても,シャープ製にしても,
廉価版機種の実売り価格は既に10万円を切っている。
膨大な開発費をかけながら,
製品投入2年目でこの水準まで価格が下がるのは驚異的。
総括原価主義では絶対にありえない価格設定である。


これは,製造コストで有利なHD-DVD機が競って,
採算割れで価格を引き下げていったことが大きい。
HD-DVDを既につかまされた消費者は気の毒だが,
次世代DVDへ移行したい人には恩恵が大きく,
これは東芝に感謝すべきなのかもしれない。


メーカーの本音とすれば,3年ぐらいの間は,
20万円ぐらいで売っておきたい商品だったはず。
逆に言えば,償却の回収が長期に及ぶことから,
ブルーレイ事業の収支はかなり厳しいだろう。


利益なき市場という意味では,
ブルーレイ陣営も「勝者はいない」ことになるが,
この際,メーカーの利益はどうでもいい話。
問題は消費者にとって,次世代DVD規格の争いが,
なんのメリットを生み出したのかということ。


ハードが普及していくことは確実だが,
パッケージソフトの品揃え,そして何より品質の確保は,
まだまだ不透明な状況だ。


中途半端に現行DVD市場が縮小し,
割高で品質のよくないブルーレイ・ソフトが普及すれば,
何のための次世代DVDかという話になる。


東芝がHD-DVDの事業を終息させることが,
必ずしもブルーレイの明るい未来を約束するものではなく,
パッケージメディアの提供側が,
真剣にブルーレイ規格の製作に取り組まなければ意味がない。



| 音楽・映画・オーディオ | 17:23 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
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| - | 17:23 | - | - | pookmark | 昨年の記事
COMMENT: よくわかりました。
| tsukamoon | 2008/02/20 12:19 PM |









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